矯正コラム
矯正に抜歯が必要なのはどんなケースでどんな理由？

歯列矯正というと「歯を抜かなくてはいけないのでは？」ということが心配になる方も多いのではないでしょうか。当院（渋谷F&B矯正歯科・東京）では、「できる限り歯を抜かない治療」を信条としていますが、症状によってはどうしても抜歯が必要になるケースがあります。

そこで今回の記事では、どのようなケースで抜歯が必要になるのか、その場合の治療期間や費用はどのくらいかかるのかを詳しく解説していきます。歯列矯正をご検討の方は、ぜひ参考になさってください。

矯正で抜歯が必要なのはどんなケース？

歯列矯正は、必ず抜歯をしなくてはいけないというものではなく、渋谷F&B矯正歯科・東京でもできる限り歯を抜かない治療を信条としています。とはいえ、症状によっては抜歯をした方が、治療効果が高くなるケースがあるのも事実です。

では、どのようなときに抜歯が必要となるのでしょうか。ここからは、歯列矯正において抜歯が必要となる主なケースを詳しく紹介していきます。

理想の歯並びにするためのスペースが足りないとき

歯並びが悪くなる原因のひとつに、歯の数や大きさに対して顎の骨格が狭いということが挙げられます。矯正治療では、矯正装置やマウスピースを使って歯を移動させて歯並びを整えていくわけですが、顎のスペースにある程度の余裕がなければ歯を効果的に動かすことができません。

十分なスペースがないまま無理に矯正をしてしまうと、噛み合わせや歯茎にトラブルが生じてしまうリスクがあるため、理想の歯並びにするためのスペースが足りないときには、抜歯を選択せざるを得ない場合もあるのです。

親知らずが生えていて、歯並びに悪い影響があるとき

矯正治療で抜歯が必要になるもう一つのケースとして、親知らずが歯並びに影響を与えている場合が挙げられます。

親知らずは、大人になってから生えてくる前歯から数えて８番目の奥歯のことです。もともと顎の骨格が狭い日本人にとってはトラブルを引き起こしやすい歯として知られており、親知らずが生えていることで他の歯に力がかかってしまったり、歯並びに悪い影響を与えているときには抜歯が必要になったりするケースもあります。

上記のようなケースで抜歯が必要なことがありますが、実際に抜歯を行うときには、前歯中央から4本目の第一小臼歯や5本目の第二小臼歯などの噛み合わせなど機能的な影響が少ない歯を抜くのが一般的です。抜歯をしたからと言って、食べにくくなったり話しにくくなったりすることはあまりありませんので、その点についてはご安心ください。

矯正で抜歯が必要になりやすい歯並びや口元の状態

歯の大きさや本数に対して顎が小さかったり、親知らずが歯並びに影響していたりする場合以外にも、歯並びや口元の状態によっては抜歯が必要になることもあります。

例えば、口元が強く突出しているいわゆる「出っ歯」の状態や、噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯よりも前に出ている「反対咬合」なども抜歯が必要になりやすいケースです。上顎と下顎の噛み合わせが大きくずれている場合には、外科的手術によって治療をすることもありますが、抜歯をすることで手術をしなくても治療可能なケースもあります。

矯正で抜歯をすると、費用や期間は長くなる？

歯列矯正のために必要な抜歯というのは原則として自由診療になるため、健康保険が適応されません。抜歯の費用はクリニックや処置の内容によっても異なりますが、目安としては1本あたり5,000円～10,000円が相場になります。

一方、治療期間の目安としては、こちらも矯正方法や矯正治療の範囲で変わってきますが、目安としてはワイヤー矯正で2年～3年、マウスピース矯正で3ヶ月～2年半となります。ただし、抜歯が必要なケースでは歯を動かす範囲が大きくなるため治療期間も長くなる傾向にあります。

また、歯を動かす歯列矯正の治療が完了後には、取り外しが可能な後戻り防止装置「リテーナー」を装着する保定期間が必要です。保定期間は人によっても異なりますが、長くリテーナーを利用することで歯並びが定着しやすいため、1年～2年は装着するのが理想的でしょう。

抜歯したくないときに、代わりの方法はある？

歯列矯正において抜歯は治療効果を高めるためにもメリットが大きいものとはいえ、やはり健康な歯を抜いてしまうことに抵抗がある方も少なくないでしょう。例えば前歯が少し大きくて入りきらないなど、軽度な問題の場合には、患者様の合意のもと歯の側面をわずかに削り、歯と歯の間にスペースをつくる処置（IPR）を選択することも可能です。

ただし、この方法では抜歯のように大きなスペースをつくることはできないため、症状によっては適応できないケースもあります。

渋谷F＆B矯正歯科・東京では、「できる限り歯を抜かない治療」を信条としています。どのような方法であっても大切なのは患者様が納得してその治療を受けるということ。気になることや心配なことは、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。