矯正コラム
歯列矯正ってどんな種類があるの？ワイヤー矯正とマウスピース矯正

歯列矯正とは、歯の噛み合わせが原因で起きる不調やお悩みを、正しい歯並びに整えて改善する治療です。歯並びは、「歯を見せて笑いたくない」「出っ歯が気になる」などの見た目のお悩みから、滑舌、口臭などの機能的な問題にまで影響します。しかし、歯列矯正は時間と手間のかかる治療です。それゆえ矯正に興味はあるけど、自分にあった方法が分からず、踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、歯列矯正を「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の2つの視点からご紹介します。

ワイヤー矯正

およそ100年前にアメリカで考案されて以来、開発を重ね、現在も世界中で利用されている矯正方法です。歯に接着する「ブラケット」と呼ばれる小さな装置に矯正用のワイヤーを通し、その弾性を利用して歯を動かします。症例にもよりますが、比較的安価な治療も可能です。

メリット

・複雑な症例も治療可能

広範囲の歯の移動や、凹凸の大きな歯並びの治療にも適用できます。特に、噛み合わせの改善に効果的な方法とされています。

・つけているだけで矯正できる

一旦医院で装置を取り付けたら、医院で取り外すまで付けたままとなります。飲食や歯磨きも、装置をつけたまましていただけます。

・治療の選択肢が多い

一言にワイヤー矯正といっても、症状や予算に合わせて様々な方法を選択できます。

一般的な表側矯正の他に、歯の裏側（舌側）に装置を装着する「リンガル矯正」、矯正スピードを速める「アンカースクリューの併用」などが可能です。

デメリット

・定期的な通院が必要

治療段階に合わせてワイヤーを調整するため、およそ1ヶ月～１ヶ月半の頻度でご来院いただきます。

・矯正装置が目立ちやすい

「表側矯正」と呼ばれるワイヤー矯正は、装置を歯の表面に取り付けるため、口を開けた時に金属製の装置がそのまま見えてしまいます。装置が目立つのが気になる方には、目立ちにくい素材の装置や白いワイヤーをお選びいただけます。その他、歯の裏側に装置を取り付ける「リンガル矯正」という方法もあります。

・お食事や歯磨きにはコツが必要

矯正装置は食べ物が挟まりやすいことに加え、固い食べ物を噛んだ時に装置が外れてしまうことがあります。また、しっかり歯磨きをしているつもりでも、装置の隙間は汚れが残りやすく、虫歯などのトラブルが起こりやすくなります。歯科医院での定期的なお掃除をおすすめします。

マウスピース矯正

従来の「装置が目立つ」「装着中の違和感が強い」といった、歯列矯正の問題を解消した矯正装置です。さらに、コンピューターシュミレーションを利用した歯型採取の導入が、患者様の負担を抑えた治療を可能にしました。治療では、複数個のマウスピースを使用します。治療開始から完了まで、段階毎に作成したマウスピースを装着し、少しずつ歯を移動させます。

メリット

・目立ちにくい矯正

マウスピースの素材は、透明で薄いプラスチックです。患者様の歯にフィットした造りのため、装着中も目立ちにくくなっております。人前に立つお仕事の方に好まれる矯正方法です。

・少ない通院回数

経過観察として通院は必要ですが、ワイヤー矯正よりも少ない頻度での治療が可能です。

・虫歯リスクが低い

飲食や歯磨きの際は、マウスピースを外していただきます。普段通りしっかり歯磨きしていただけるため、他の矯正装置と比べて口内トラブルが起こりにくい方法です。
マウスピース自体のお手入れもしやすく、いつも清潔な口内環境を保つことができます。

デメリット

・マウスピースの装着時間が進歩状況に直結する

長時間マウスピースを外していると、歯が治療計画にない動きをしてしまい、マウスピースが上手くはまらなくなったり、痛みを感じることがあります。歯科医師の指示した装着時間を守ってご使用ください。

・口腔の状態によっては適用できない

重度の症状や、お子様の治療にはご利用いただけないことがあります。まずは歯科医師にご相談ください

・紛失トラブルが多い

お食事などで一時的にマウスピースを外した後、そのまま置き忘れる、誤って捨ててしまう、などのトラブルがよく報告されています。外した時は専用ケースに収納することを習慣づけましょう。

「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」どちらにもメリット、デメリットがあります。また、症例によっては適用できなかったり、治療期間が異なることもあります。まずは、歯科医師にお悩みやご希望についてご相談いただき、ご自身にあう治療方法をお選びください。