矯正コラム
iTeroとは～口腔内スキャナーiTeroの特徴やメリットなど～

「iTero（アイテロ）」という名前を聞いたことはありますか？
iTeroは、マウスピースによる矯正治療の精度を上げて、患者様の負担も減らせる口腔内スキャナーです。
まだ新しい機器で、iTeroを導入している歯科医院は一部ですが、矯正治療を検討していて、その技術に興味のある方もいらっしゃるでしょう。

今回は、歯列矯正（インビザライン矯正）において、iTeroがどのような役割を果たすのかを分かりやすくご説明いたします。
歯列矯正の治療方法で迷われている方や、マウスピース矯正をご検討中の方は、ぜひご参考ください。
※当院（渋谷F&B矯正歯科・東京）ではiTeroを使ったインビザライン矯正が可能です。

口腔内スキャナーの「iTero」とは

iTeroは、「歯型取り」「歯間の虫歯の発見補助」「矯正治療のシミュレーション」などができる光学式口腔内スキャナーです。

iTeroはインビザラインと同じ米国アライン・テクノロジー社が開発した製品です。
※アライン・テクノロジー社は、独自に開発した先端３次元画像化技術および審美的要素を融合した歯科矯正装置インビザライン システム（Invisalign System）、口腔内スキャナーiTero、CAD/CAMソフトウェアexocadの設計、製造、販売活動をグローバルに展開しています。（インビザライン・ジャパン株式会社・プレスリリースより）
※インビザラインは、アライン・テクノロジー社が提供する取り外しが可能なマウスピース矯正の一つです。世界100カ国以上の国々で提供されている実績・信頼のあるマウスピース矯正です。

iTeroは従来の歯型採取と比べて、患者様の負担を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。また、施術者がモニターを見ながらスキャンを行いますので、歯型採取の失敗や取り直しがほとんど起きないことも患者様にとって大きなメリットです。

そんなiTeroが、歯列矯正においてどのような役割を果たすのかを詳しくみていきましょう。

インビザラインのマウスピース作成に力を発揮するiTero

iTeroは、インビザライン矯正を始める前の精密検査において、歯型取りのために用いられます。
インビザラインでの治療は複数のマウスピースを準備して、歯の動きに合わせマウスピースを変えていきます。そのため、歯をうまく動かすためには、マウスピースの形状の正確性が非常に重要になります。

従来の方法による歯型採取では、いくら正確に型取りをしても、わずかなズレが生じてしまうこともありました。しかしiTeroを利用することで、コンピュータ上に、患者さんの口腔内を完全に再現することができ、それをもとにマウスピースを作成するため、より精密で正確性の高いマウスピースを作ることが可能です。

また、従来の印象材を使用した方法とは違い、歯をなぞるだけなので不快感が少なく、嘔吐反射（喉の奥に異物を感じると吐き気をもよおす生理的反射のこと）が強い方でも問題なく受けられる点も大きなメリットです。

固まるのを待つ必要がないため時間短縮にもつながり、基本的に型の取り直しも必要ありません。
また、スキャンしたデータをコンピュータ上で確認し、治療前の歯並びの状態はもちろん、治療途中、治療後のシミュレーション画像まで確認することができます。

従来までの歯型取りの方法

従来の歯型取りは、印象材とよばれる粉と水を混ぜて作る粘土のようなものを口に入れて、固まった後に取り外していました。
固まるまでの間は、動かさずに待っている必要がありますが、人によっては押し付けられている感触が不快だったり、嘔吐反射が出てしまったりする方もいらっしゃいます。また、歯に密着していないと、正確に型取りができずに、やり直しになるケースもあります。

現在もその方法で歯型取りをすることはありますが、インビザライン治療に関しては、治療の精度を高めるためにiTeroでのデータ採取が推奨されています。また、データとは違い、従来の歯型の場合は採取した歯型を米国のマウスピース製造工場に送るために、余分な手間と時間が掛かってしまうデメリットがあります。

患者さんにとっては、iTeroでのデータ採取の方が苦しさや痛み、お口のなかの違和感も少ないため、嘔吐反射が強い方でも楽に歯型を取ることが可能です。

iTero利用における患者にとってのメリット

iTeroは、従来の歯型取りとはやり方がまったく異なります。
iTeroを使用することで得られる患者様にとってのメリットは、以下のとおりです。

歯型取りが簡単に終わる

従来の歯型取りは、印象材をペースト状にしてから固まるまでに10分程度必要でした。
嘔吐反射が強い方や、鼻呼吸が難しい方にとっては、その10分がとても長く感じられるでしょう。
一方、iTeroは、歯をなぞるようにスキャンするだけなので、口の中がいっぱいになって苦しくなることはありません。嘔吐反射が強い方や鼻呼吸が難しい方でも楽に歯型取りをすることが可能です。
口の周りが汚れる心配もないため、患者様の負担軽減に大いに役立つといえます。

治療期間が短縮できる

印象材の硬化時間が短縮でき、そのうえ失敗がほとんど起こらないことから、検査を比較的短時間で済ませられます。
また、コンピュータ上で事前に歯の動きを細かく分析できるため、効率の良い治療を実現することが可能です。

インビザラインの治療においては、前述の通り、歯型を米国に郵送する必要がなく、その分の時間短縮になります。

治療の成功率が高まる

精密な歯のデータ採取を行い、且つ、歯の動きを細かく分析できることいから、治療の成功率も高まります。
iTeroを活用することにより、従来のワイヤー矯正では難しかった治療結果のシミュレーションが可能になり、歯科医師にとっても仕上がりの不確実性の解消になっています。

治療後の歯並びが確認しやすくなる

シミュレーションで治療後の歯並びを確認することができるため、患者と医師との認識のずれが少なくなり、治療後の歯並びを見ることで患者様のモチベーション向上も期待できます。

特にiTeroは治療前後の歯並びを３D画像で確認できます。歯の前方からだけではなく、後方や内側など様々な角度から自分の歯並びを確認することができるため、患者さんにとって治療の前後をとてもイメージしやすくなります。そのため、患者さんがより納得をしたうえで治療をスタートすることができます。

渋谷F&B矯正歯科・東京ではiTeroを使った治療が行えます

渋谷F&B矯正歯科・東京では、iTeroを導入しているため、患者様に負担が少なく、成功率の高いマウスピース矯正をご提供することができます。

最近では、マウスピース矯正は手軽な歯列矯正の方法としてメディアなどでも目にすることが多く、従来のワイヤー装置と違い、目立たず、取り外しもできるという点でマウスピース矯正を選択する患者さんも増えています。
iTeroの登場により、ますますマウスピース矯正が患者様・歯科医師にとって便利で且つ安心な方法となりました。できるだけ目立たない矯正がしたい方は、ぜひご検討ください。