矯正コラム
マウスピース矯正中の食事における注意点~装着したまま食べていい?~
公開日:2022.06.01
マウスピース矯正中に気になることの一つとして、食事時の対応があります。
こちらの記事では、マウスピース矯正中の食事についての注意点を具体的に説明していきたいと思います。装着したままで食べていいかどうかはもちろん、避けた方が良い食べ物、装着中でも飲んでいい飲み物、他の矯正方法との比較などもご紹介します。
目次
マウスピース矯正時の食事事情
マウスピース矯正時の食事ですが、マウスピースは外して食べる必要があります。マウスピースを装着したままの食事は絶対に避けなくてはいけません。これは「インビザライン」や「hanaravi」ほか、どの種類のマウスピース矯正でも同じことが言えます。
ワイヤーでの矯正と違い、マウスピースを外してしまえば硬いものなどを除き、好きなものを食べることができます。
ただし、食事や間食後はすぐにマウスピースを装着する必要があります。マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必要と言われています。その時間が欠けてしまわないよう、必ず十分な歯磨きをしたあとすぐにマウスピースを再度装着することが大切です。
食事中にマウスピースを外さないといけない理由
それでは、食事中にマウスピースを外さないといけない理由を具体的に解説します。
マウスピースが破損してしまうリスクがある
マウスピースは非常に薄く、また熱に影響をうけやすい素材で作られています。そのため、食事により大きな力が掛かったり熱が加わることにより、割れたり変形してしまったりする可能性があります。
マウスピースは治療計画に基づいて精密に作成されているため、破損してしまうとその後の治療に影響を及ぼすことにもなりかねません。場合によっては、マウスピースの再作成のために時間とお金の無駄遣いにもつながってしまいます。
マウスピースに色が付いてしまうリスクがある
ソース、醤油、ケチャップなどの調味料、カレーライスやトマトパスタなどの色のついた食品などをマウスピースを装着したまま摂取するとマウスピースに色移りしてしまう可能性があります。また、赤ワイン、コーヒー、お茶などの色の濃い飲み物も同じです。
色移りが原因となって歯を動かす機能が落ちてしまうわけではありませんが、色移りしたマウスピースは衛生面で良くありません。また、他の人からの見た目も良くありません。
虫歯・歯周病になるリスクがある
マウスピースを装着したままの食事で大きな懸念事項となるのは虫歯・歯周病のリスクです。マウスピースの中に食べかすが溜まり、お口の中をとても不潔な状態にしてしまいます。そのことにより、歯垢の増加、菌の繁殖を促進し、虫歯や歯周病になりやすくさせてしまいます。同時に口臭の原因にもなってしまいます。
虫歯や歯周病はその後の治療計画に大きく影響を与えてしまいます。特に歯周病が進行してしまうと歯茎の炎症が拡がり、矯正治療を中断することにもなり得ます。そうならないためにも、食事中はマウスピースを取り外し、マウスピースを清潔な状態に保つ必要があります。
マウスピースを外し忘れて食事をしてしまったときの対処法
万一、マウスピースをしたまま食事をしてしまった場合は、その後の適切な対応が必要です。
・すぐにマウスピースを水洗いする、または、ウェットティッシュで汚れをきれいに拭き取るなどし、マウスピースを清潔に保つようにしましょう。また、歯磨きやマウスウォッシュでお口の中をきれいにすることも忘れずに。
・マウスピースが割れる、亀裂が入る、変形するなどした場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。破損したマウスピースは適切に歯を動かす機能を失います。マウスピースはち密な治療計画に基づいて作成されているため、破損の程度によっては再作成などの対応が必要になります。
マウスピース矯正中に避けた方が良い食べ物
ワイヤーでの矯正と違い、マウスピースを外してしまえば、ある程度は食事内容の制限がなくなりますが、マウスピースを外した際にもできれば避けるべき食べ物があります。
硬い食べ物
お煎餅、スルメ、アーモンド、バケットなどの硬い食べ物には注意が必要です。マウスピース矯正中は歯を移動させているため、骨の吸収(新陳代謝)がおこっており大きな刺激を加えると痛みを生じる可能性があります。歯や骨に刺激を与えないためにも、マウスピースを外した状態でも極力硬い食べ物は避けるのが無難です。
糖分の多い食べ物
マウスピース矯正中は特にお口の中のお手入れに気を遣わなくてはいけないという観点から、虫歯リスクが高まる糖分の多い食べ物にも注意が必要です。マウスピース矯正中に虫歯の治療を行うと、歯のかみ合わせが変わってしまい、マウスピースを再作成する可能性も出てきます。こまめに歯磨きをするなどお手入れができるのであれば別ですが、そうでない場合は、マウスピースを外した状態でも極力糖分の多い食べ物は避けるのが無難です。
マウスピース装着中でも飲んでいい飲み物
飲み物についてもマウスピース装着中にOKなもの、避けるべきものがあります。
水はマウスピースを装着したままでもOK
マウスピース矯正中にマウスピースを装着したまま飲めるものは基本的に水だけです。甘くない炭酸水もほとんどの場合問題ありませんが、柑橘系のフレーバーが含まれるものは、酸性度が高く虫歯の原因になる場合があるため、装着時に過剰な摂取は避けるのが無難です。
色が付いていたり甘いものはNG
お茶やコーヒーなど色のついた飲み物や砂糖の入った清涼飲料水等の飲み物はやはり避けるべきです。前述した通り、マウスピースへの色移りにより不衛生になってしまうことや、糖分がマウスピースの中に入りこむことで、虫歯のリスクが高まるためです。また、ビールや日本酒などのアルコール飲料も糖分を含みますので、マウスピースは外して摂取しましょう。
どうしてもマウスピースを外せない状況の場合は、ストローを使って摂取をすれば、マウスピースへの接触をある程度減らせ、マウスピースへの着色やマウスピース内への飲み物の侵入を抑えられます。
ただし、マウスピースへの接触をゼロには出来ませんので、飲んだあとは出来る限り早く、お口の中とマウスピースを洗浄し清潔な状態に保つことを心掛けてください。
外食時にマウスピースはどうする?
マウスピース矯正は1日に20時間以上装着していることが求められるため、外出時も原則装着し続けることになります。ただし、外食の際は、自宅での食事と同様にマウスピースを外す必要があります。その際に守るべきことをお伝えします。
人前での取り外しは避ける
マウスピースを取り外す際は、人目を避けて洗面所などで行いましょう。他人の口の中から外されたものへの不快感がある人もいます。周りの方へのエチケットとして人目を避けるのが無難です。
専用のケースに入れて管理する
取り外したマウスピースはすぐに専用のケースにいれて管理をしましょう。取り外したマウスピースへのホコリや雑菌の付着を防ぐだけでなく、外から何らかの力が掛かってしまうことによるマウスピースの変形や破損を防ぐためにも適切に管理をしましょう。
食事が終われば歯磨きをしたうえで装着する
出来る範囲になりますが、食事が終わればお口の中を洗浄したうえでマウスピースを再装着することが理想です。特にお酒が入った場合には難しいかもしれませんが、装着する前に少なくとも「うがい」をすることをお勧めします。煩わしくもありますが、1日の装着時間を稼ぐためにも、マウスピース矯正中はモチベーションを維持しながら実践をしましょう。
表側矯正や裏側矯正と比べた際の、食事におけるメリット・デメリット
これまでマウスピース矯正中の食事制限についてご説明してきましたが、食事に関してはワイヤー矯正(表側・裏側)と比べるとかなり制限が少なくなります。
前述の通り、マウスピース矯正中は「硬い食べ物」や「糖分の多い食べ物」については避けるのが無難ですが、ワイヤー矯正(表側・裏側)の場合は装置を外せない分、上記に加えて、「くっつきやすい(粘着性の高い)食べ物」「装置に挟まりやすい食べ物」も避けるべき食材に加わります。
・くっつきやすい(粘着性の高い)食べ物の例:ガム、キャラメル、餅など
・装置に挟まりやすい食べ物の例:ネギ、ニラなどの細い食材、イモ類やキノコ類などの繊維質の多い食材、麺類など
そういったことからも、マウスピース矯正における食事事情はワイヤー矯正(表側・裏側)と比較してメリットは大きいです。
一方でマウスピース矯正は、食事時に取り外したり、装着し直したりしなくてはいけない、ということが、装着したまま食事ができるワイヤー矯正と比べるとデメリットとは言えるかもしれません。ただし、食事中も外せないワイヤー矯正と違い、矯正装置を外して食事ができるというメリットであるとも考えることができます。
マウスピース矯正期間中は「食事のときはきちんと外し適切に管理」ということを習慣にします。マウスピースを外しさえすれば普通に食事はできますのでご安心ください。
その他マウスピース矯正に関する概要やよくある質問については「渋谷F&B矯正歯科・東京のマウスピース矯正」のページも参考にしてみてください。
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