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歯列矯正に年齢の制限はある? 「何歳から」「何歳まで」の目安

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歯列矯正は一昔前までは子供や若い人が受けるものというイメージが強いものでしたが、今や高い年齢層の方も治療を受けられるケースが増えてきています。昨今、歯の健康や見た目に対する意識が高まっており、大人になり自分自身に投資できる年齢になってから、歯列矯正を始められる方が多いようです。

それでは、歯列矯正を始めるのに年齢の制限はあるのでしょうか? その点について、ご説明をしていきたいと思います。

歯列矯正の年齢別患者割合

まずは、実際の歯列矯正患者の数とその年齢割合について、厚生労働省の「患者調査(※1)」のデータから見てみましょう。

患者調査 平成29年患者調査上巻(全国)

歯科分類総数0歳1~4歳5~9歳10代20代30代40代50代60代70代80代90代以上不詳
総数歯科矯正100%0%0.5%20.2%39.3%18.6%10.4%4.9%1.1%2.2%0%0.5%0%2.2%
歯科矯正32.2%0%1.7%23.7%54.2%8.5%1.7%3.4%0%0%0%0%0%3.4%
歯科矯正67.8%0%0%18.5%32.3%23.4%14.5%5.6%0.8%2.4%0%0.8%0%1.6%
(※1)患者調査は全国無作為かつ、特定の日程の調査であるため、正確な患者数を表すものではないが患者年齢層割合の参考とする。

総数として、やはり10代が最も多く39.3%、次いで5~9歳の20.2%、20代の18.6%と続きます。
男性だけを見てみると、10代が最も多く54.2%、次いで5~9歳の23.7%と続きますが、20代からの顕著な落ち込みを見ると、やはり親が治療を受けさせているという実態が見て取れます。
一方で、女性は10代がもっと多い32.3%ですが、その次に20代の23.4%となっている点については、自分自身への投資として成人女性の歯列矯正治療を受けるケースが一定数あることが見て取れます。男性の50代以降の歯列矯正がゼロなのに対し、女性は60代に2.4%、80代に0.8%存在することは非常に興味深いと思います。いくつになっても美しくいたいという願望とそれに応えることのできる矯正治療技術の進歩があるのではないでしょうか。

子供は何歳から歯列矯正できる?

それでは、子供の場合何歳から歯列矯正ができるのでしょうか。また、何歳から始めるのが適切なのでしょうか。

歯列矯正をはじめる年齢の目安

子供の矯正治療(小児矯正治療)は6歳か7歳までに始めるのが良いとされています。その時期は、子供の歯から大人の歯への生え替わりが始まる時期と言われており、大人の歯が生え揃う前に、歯並びを改善するための様々な予防措置や誘導が行える時期だからです。

欧米の人に比べ日本人の顎は小さく、歯が生えてくるスペースが確保できないため、歯がきれいに並ばないことが多いと言われています。大人の矯正治療は歯並び(歯列)を整えることが目標である一方で、子供の矯正治療は顎の成長を利用し、大人の歯(永久歯)が並ぶためのスペースを確保することが目標となります。
そのため、歯の生えかわりが進んでしまう前に矯正治療を始めることが良いとされています。

子供は何歳までに歯列矯正しておく必要があるか

子供の矯正治療は「第一期治療」と呼ばれ、前述の通り顎の成長を促し、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保する治療を行います。この時期に治療を行うことで、永久歯になってからの治療(「第二期治療」)を行わなくて済む場合もあります。「第一期治療」は歯が完全に生えかわる前に行う必要があるため、その年齢までに開始しておく必要があります。

小児歯科学会が発表しているデータ(※2)によると、大体9歳~12歳の間に乳犬歯、第1乳臼歯、第2乳臼歯が生え替わり、永久歯の歯並びが完成します。そのため、9歳~12歳というところが「第一期治療」の適用範囲の上限といえます。お子様の歯並びが気になる場合は、その年齢までには、矯正専門医に相談することをお勧めします。

(※2)小児歯科学会 永久歯の生える時期
https://www.jda.or.jp/park/function/teeth-grow.html

大人は何歳まで歯列矯正できる?

永久歯が生えそろった年齢(おおよそ12歳前後)からは、「第二期治療」と呼ばれ、歯列を整える治療を行います。それでは、この大人の矯正治療は何歳まで可能なのか説明したいと思います。

何歳までという明確な年齢制限はない

実際のところ、歯列矯正に明確な年齢制限はありません。第一章で見た、年齢別患者割合においても80歳代でも患者がいるとおり、歯や歯茎、顎の骨が良好な状態であれば矯正治療を受けることが可能です。

歯列矯正が受けられるかは、歯の状態次第

歯と歯茎の健康状態、特に歯周病が進行していたり、一部の歯を失っていたりする場合、歯列矯正を進めることが困難になります。
歯列矯正治療は骨の代謝機能を利用して進められる治療なため、歯周病により歯を支える歯槽骨の減少がある場合、矯正治療を進めることにより更なる骨の減少を招き、結果的に歯が抜けてしまう可能性も考えられます。
また、奥歯を失っている場合など、歯列矯正で歯を引っ張るための支点が作れないことにより矯正治療を難しくしてしまいます。ただし、最近では、歯の代わりにインプラントを使い、そこを支点として治療が進められるケースもあるため、歯を失っていても治療ができるケースもあります。
このように、歯列矯正を受けられるかは、歯の健康状態が良い状態に保たれているかが鍵となります。

歯列矯正にかかる期間の目安

大人の歯列矯正にかかる期間は、歯並びの状態によりさまざまではありますが、目安としては矯正装置を装着している期間は平均2~3年と言われています。また、この期間は年齢が高いほど、歯の動きづらさや治療の難易度が上がることにより長くなる傾向にあります。
矯正装置をはずした後、「リテーナー」と言われる保定装置(後もどり防止装置)を装着する期間があり、その平均期間が1~3年と言われています。この保定装置は自分で脱着可能ですが、保定装置を付けている期間は長ければ長いほど歯並びが安定します。

また、矯正装置の種類によっても治療期間の目安は変わってきます。

・ワイヤー矯正(表側):平均2~3年
・ワイヤー矯正(裏側):平均3年

歯の裏側に装置をつける治療は目立たない一方で、高い技術が必要となり治療期間も長くなる傾向にあります。

・マウスピース矯正:平均1~2年 

治療可能なケースがワイヤー治療に比べてより軽微な症例に限られるため、治療期間も短く済むケースが多くなります。ただし、抜歯が必要なケースやより難しい歯並びの場合は、ワイヤー矯正との併用になるなど更に期間を要する場合があります。

・部分矯正:平均半年~1年

主に前歯だけなどの気になる部分の矯正の場合、全体的な歯列矯正に比べて期間は短くなります。

マウスピース矯正の場合の年齢は?

これまで一般的な歯列矯正の対象年齢についてお話ししてきましたが、ここではマウスピース矯正に関しての年齢制限について説明したいと思います。

マウスピース矯正は「第二期治療」と呼ばれる永久歯が生えそろった年齢(おおよそ12歳前後)からの治療に適用可能です。(最近では、乳歯と永久歯の混合歯列期(6歳~12歳)にも適用できるマウスピース矯正もありますが、まだ従来の装置での治療が主流と言えます。)

一方で、大人のマウスピース矯正は何歳まで適用可能かについては、従来のワイヤー矯正同様、明確な年齢制限はなく、歯や歯茎、顎の骨が良好な状態であれば矯正治療を受けることが可能です。
マウスピース矯正は取り外しが可能なため、ストレスも少なく、虫歯や歯周病の予防などのお口の中の健康状態の管理がしやすくなります。そのため、特に歯周病リスクの高いご高齢の方にもお勧めできる治療法と言えます。

歯列矯正を受ける年齢に関する疑問と回答

ここまで歯列矯正と年齢の関係について基本的なことをお伝えしてきましたが、年齢に関する疑問と回答についてさらにご紹介しましょう。

年齢によって、かかる費用は違ってくる?

子供の矯正治療(「第一期治療」)と永久歯が生えそろった年齢(おおよそ12歳前後)からの大人の矯正治療(「第二期治療」)とで金額は違ってきます。
相場としては、第一期治療:~50万、第二期治療:~100万(表側の治療装置の場合)であり、第一期治療から始めて第二期治療が必要になった場合は、第二期治療の費用から第一期治療の費用を差し引く場合がほとんどです。
治療費用のほか、「精密検査費用(3~5万)」「調整料(5,000~10,000円)」が別途掛かりますが、トータルフィー(総額)制を採用している歯科医院では「調整料」は掛かりません。
※金額は症例の難易度、使用する装置によって変わりますので、あくまでも目安としてお考えください。

当院(渋谷F&B矯正歯科・東京)の「治療費用」ページも参考にしてください。
どのような矯正方法があるかは、当院(渋谷F&B矯正歯科・東京)の「治療メニュー」のページを参考にしてみてください。

また、主に子供の矯正治療の場合で、「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療などにおいては、矯正治療が保険適用になり、自己負担額は抑えられます。

【矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは】
矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、下記の場合に限り保険診療の対象となります。
1.「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
2.前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療
3.顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療
なお、これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。
(公益社団法人 日本矯正歯科学会HPより/https://www.jos.gr.jp/facility

年齢によって、かかる期間は違ってくる?

前述した通り、矯正装置によってかかる期間は変わってきますが、年齢によってもかかる期間に違いが出てきます。

大体の目安として、
・6歳/7歳頃から始める矯正治療(「第一期治療」):2~3年
・永久歯が生え揃う9歳~12歳以降に始める矯正治療(「第二期治療」):2~3年(表側の治療装置の場合)
・その後の後戻り防止のための保定期間:1~3年
となります。
第一期治療から始める場合、第一期治療のみで終わる場合もあれば、第二期治療に進む場合もあります。第二期治療に進んだ場合は、それだけさらに期間が掛かることになります。

また、大人の矯正治療においては、年齢が高くなるほどより時間が掛かります。矯正治療は骨の代謝機能を利用して進められる治療ですが、高齢になるほど代謝に時間を要するため矯正治療の期間もその分長くなってしまいます。また、矯正治療を開始する前に、虫歯や歯周病の治療を完了させておく必要がありますが、年齢が高いほどそういった治療に時間を要することが多く、その分矯正治療期間に影響が出ることが多くなります。

大人になってからの歯列矯正。早めにするメリットはある?

前述の通り、歯列矯正に年齢制限はないものの、治療期間のことを考慮すると、治療開始は早いに越したことはありません。

早く歯列矯正を開始することで、「良い歯並び」で過ごす期間がその分長くなりQOLも向上します。また、歯並びが良くなることでお口の中の管理がしやすくなり、虫歯や歯周病の予防もしやすくなり、永く歯を残すことにもつながります。

大人の場合、治療に対するモチベーションも高く、子供に比べてより計画通り治療が進みます。少しでも歯並びが気になる場合は、すぐにでも矯正歯科のカウンセリングなどでご自身のお悩みをご相談されることをお勧めします。

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渋谷F&B矯正歯科・東京での初診相談は無料です。口腔内を診査した上で、歯並びについてどのような悩みをお持ちかお聞きします。治療方法をいくつか提示し、かかる費用や期間についても丁寧に説明いたします。気になることは遠慮せず質問してください。

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